2008年10月29日水曜日

脱・語彙貧困

今日は、日経新聞の「漢検」の広告ページを読んで、言葉の力について考えました。その広告記事は「基礎学力と企業」と題して、日本の各基幹企業のトップが、「基礎学力」について語っているものです。今回は第16回目で、株式会社ポーラ社長鈴木郷史氏が重視する基礎学力について、自社の理念に沿って述べてられています。要約すると、以下の5つのポイントにまとめられました。

①状況の観察をする(表面だけでなく、背景や原因も見る)

②観察後に湧き出る、人間としての感情を大切にする=情操力

③情操力を育むには、人との触れ合い、語彙力を磨くことが重要

④「脳の回路に眠る言葉達」を言語化して人に伝えたいとき、どのような言葉を選択し、どのような態度や眼差しで伝えるか。そのような機微に人間としてのプラスアルファが出てくる。

⑤目に見えるものだけでなく、心で想像、思考したことを言葉によって像に結んでいく必要がある。わずか一文字の違いでも受け手に伝わるニュアンスが変わる。目に見えない大切なこと、機微を表現できれば、他者と共感、共有できる能力につながる。

 感じたとおりに、考えた通りにスムーズに言葉にできる人は、ストレスも少なく、人との関係も良好だと思います。説明の仕方ひとつとっても、相手の立場に立った順序、言葉、を上手に選んで話せる人は、思いやりのある人だと思います。独りよがりで、聞き手、読み手のことを一切考えない話や文章は、他者にとってなんらプラスの価値を生まないのではないでしょうか。講演などでも、話が上手い人は、親切で思いやりがある、「人としての感情がある」人だと言えます。思いやりは他者があってこそ生まれるものであり、人との交流の中で育つ力だと思います。

 人と触れ合うと、様々な言葉運びやニュアンスに出会います。自分の言葉や話し方の至らなさに気づいたり、環境や年齢の違う人たちと、どう接したらよい関係でいられるのか、頭も感情もフル回転します。そして、時には失敗しながらお互いが良い気分でいられる機微を身につけることができます。鈴木社長は、情操教育は、単なる芸術観賞よりも、人との触れ合いで磨かれる、と述べています。

 確かに、聞いて、観て感動する、という自己完結的な鑑賞だけでは、情操力が身についたとは言えません。鑑賞した結果得られたものを他者と共有するために、洗練されたアウトプットができて初めて実社会で価値のある「情操力」になるのでしょう。

 私は、しっくりくる言葉を話したい、と思いつつも、うまく表現できないことが多いです。書き言葉や絵をの方が、うまく表現できる、と思うこともあります。しかし、実社会では、自分の気持ちや考えをわざわざその場で作品にして見せることができるはずもありません。会話という手段で双方向がシグナルを送り合い、共有する機会がほとんどです。言葉選びについて、もっと敏感になり、もっと豊富な表現を身につけたいと思います。他者との共感、共有が得られなければ、社会的な付加価値を生み出すことが難しいからです。

人間だからこそ、言葉を磨きたい、そう思える広告記事でした。 

実行プラン:考えや思いを言語化する習慣をつける。

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