2010年2月19日金曜日

COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)MARCH 2010

COURRiER Japon ( クーリエ ジャポン ) 2010年 03月号 [雑誌]

ホームレスというだけで刑務所に入れられる。小汚い恰好で友人のいる町を尋ねようとしただけで、“浮浪罪”で逮捕されてしまう、といえば、映画『ランボー』の主人公を思い出す。現在、アメリカではこのようなことが現実に起こっている。それにはどんな理由があるのだろうか。刑務所に収容される囚人が増える→“地域住民の数”が増える→アメリカ合衆国連邦政府からその自治体への助成金が増える、という構図があるかららしい。彼ら浮浪者は、刑務所内において、低賃金で働く優秀な労働力となる。今、アメリカでは、東南アジアよりも安い労働力として、囚人労働者に注目が集まっているのだ。

『COURRiER Japon(クーリエ・ジャポン)』3月号は、『ルポ 貧困大国アメリカ』の著者である、ジャーナリスト堤未果氏による責任編集の元、貧困層が拡大しているアメリカで起きている真実を伝えている。その中でも特に、刑務所がお金儲けの対象になっているという事実に衝撃を受けた。

日本では、受刑者が規則正しい生活を送り、更生するためや、社会復帰のための職業訓練として「刑務作業」がある。例えば、私の故郷岐阜県には、全国で7ケ所ある女子刑務所の1つ、笠松刑務所がある。彼女ら受刑者は、工芸品を作っていたり、市民が利用できる併設の美容院で美容師として働いている。私の実家にも、刑務所バザーで購入した工芸品のトイレットペーパーホルダーがあるが、それらを販売して得られた利益は、刑務所の維持費にもならないくらいだろう。そこに「営利」や「ビジネス」がからんでいるという様子は感じられない。

一方、アメリカでは、刑務所が「投資の対象」となっていると聞けば、あなたはどう感じるか。


“刑務所の建設自体もビジネスの対象になっています。「刑務所REIT」という不動産投資信託が今、ウォール街の投資家達から注目を集めています。普通の不動産投資信託では、たとえば買ったアパートに人が入居しないと利益は出ない。でも刑務所はいつも満員ですから、ローリスク・ハイリターンなんですね。”(P25)

入所と同時に高い手数料を取られ、借金を負うはめになる囚人達が、投資ビジネスの餌食となっているのだ。世界の囚人の4人に1人が米国人というデータもあり、アメリカの囚人人口は30年前と比較して3倍以上に増加している(p47)。ホームレスの囚人が増えることで刑務所の数は今後ますます増え続けるかもしれない。そして、刑務所の民営化が進むことにより、刑務所本来の「更生施設」という役目から、更にかけ離れていくのだろう。
実際、アメリカには、運営受託料などで利益を得る、民間刑務所運営会社が存在し、低コスト化のために受刑者への復帰支援や医療サービスの質を下げているそうだ。

このような「人間不在」のシステムはやがて破綻を招くであろう。堤氏は、他にも、オバマ政権発足1年後の経済、外交、内政の変化、食糧危機の実態、医療保険問題、高額化する大学授業料について、危機を伝えながらも、人々が真実に気付いた今こそ、本当の「CHANGE」のスタートだと希望を与えてくれている。

さて、日本はアメリカと同じ様な道を辿るのだろうか。本誌には、「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された、東京の“隠れホームレス”の記事が掲載されている(p79)。昨年10月に厚生労働省が発表した「相対的貧困率」国民一人ひとりの年間所得額を高い順から並べた時の、中央値の半分に満たない人の割合)は15.7パーセント。国民の7人に1人が貧困ということになる。まず、我々は、「労働」という社会貢献をないがしろにしてはいけないことを、義務教育の段階から認識すべきであろう。そして、社会システムをつくる者は、税金を何のために徴収しているのかを常に問い直さなければならない。税金は、政治家の支援者のために集められているのではない。人間が人間らしく生きられる安定した社会を末永く実現して行くためのものであろう。

日本にとっても、社会システムが原因で生活が崩壊してしまった人々の真実を知ることこそが再生のきっかけとなるのではないか。

このように、『クーリエ・ジャポン』は、私の「心」に「CHANGE」のきっかけを与えてくれる、意義深い雑誌である。

(本誌は、レビュープラス様より献本頂きました。御礼申し上げます。)
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【私が思う、『クーリエ・ジャポン』はこんな雑誌】

『ク-リエ・ジャポン』は公式サイトをご覧になってわかるとおり、国際ニュースのセレクトがハイセンスです。眺めているだけでも国外に脱出したかのような気分が味わえるので、会社と自宅を往復する毎日を送っている私のような人には、非常に刺激的です。特集+各国のニュース記事(社会問題だけでなく、カルチャーなども)+鋭さが光る連載、のどれもが濃い内容で、オールカラーの定価680円です。

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