2010年3月6日土曜日

アートの力でみんなを元気にする方法

今日参加した講座のタイトルは「人と社会をアートでつなぐ」。

ニューヨークのMOMA美術館でも勤務経験がある、arts alive代表の林容子先生が講師でした。

今日の「ウィルあいち」の図書館コーナーのテーマは「社会貢献」。素敵な選書ですね。
世界をよくする簡単な100の方法 社会貢献ガイドブック

☆説得力のあるプレゼンは感動に満ちている

林先生は、美術大学で教鞭をとられていたこともあり、力強いロジカルな構成の中にも

感動の嵐が湧きおこる講義でした。

「アートマネジメント」という言葉を初めて聞きましたが、アーティストが作品を生み出し、

人々に発表するうえでは必ず「資金」が必要です。特に、日本の場合、アートの分野は、不況の中で

予算を削られがちです。林さんは現在、アートを福祉や医療の分野で生かす取り組みをされて

いますが、いかに資金提供者を説得して、プロジェクトを実現させるかという能力が問わ

れるため、プレゼン力も秀逸でした。お話を聴いていて、何度も鳥肌が立ったほどです。

☆アートはストレスを軽減させ、生きる喜びを与える

イギリスの病院のスライドを観たのですが、ショッピングセンターかと思うような楽しげな

エントランスに真っ赤なエレベーターホール、中では写真展が開催されており、

吹き抜けには、すべての病室から眺められる大きなモビールが下がっていました。

もうそこは病院ではなく、美術館のよう。

CTスキャンに入るときの恐怖を軽減するために、天井に素晴らしい絵画が描かれて

いたり、ジャグラーが、人工透析をしている子どもを楽しませたり、

アーティストが、作品を作ったり売ったりするブースまで病院内にあるのです。

患者さん向けだけでなく、病院スタッフのストレスを軽減するための、

アート作品をつくるワークショップも実施されているそうです。

「アート」には、苦痛や恐怖、退屈から脱却させる力があるということは皆

わかっているはずですが、日本の医療や福祉において、アートに予算をつけること

が積極的になされていないのが現実のようです。

ほかにも、海外の病院の事例で、マティスの研究家である大学の先生が講師となり、

認知症のお年寄りにチューリップの花弁を使った作品作りを指導している

スライド写真も見ました。

どんな状態であっても、美しいものに触れ、なにかを創造する喜びを知ることは、

人間を人間たらしめると思いました。

日本でも、ある介護施設で、手の型を石工で取るワークショップが行われた話がありました。

ある老夫婦が手を握り合った型を取って欲しいと希望されたそうです。深くしわが刻まれ、

人生がにじみ出るような手が2つ合わさって出来た手の像。しばらくしてご主人が亡くなら

れたそうですが、残されたおばあさんは、その像をみるたびに愛に包まれていると思います。


☆アートで人間性を取りもどそう

規則やルールに縛られ、予定どおりに動かないとストレスを感じる現代社会の私たち。

アートは、非日常であり、自由であり、予定調和のない世界です。なんだか機械みたいな

毎日を送っているな、と感じても、「アート」という心の支えがあれば、自分自身に戻れる

かもしれません。

※今日、同じテーブルで、あるアーティストさんとお話ししたのですが、「パステル画」は

線ではなく色で表現するので、上手下手関係なく楽しめる、ということでした。

美術館も、俳優さんの声でのオーディオガイドがあったり、敷居が低くなってきつつあります。

あなたも、ぜひ色や形を楽しむ時間を作って、アートの力を感じてみませんか。

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【講師の林容子先生の御著書】(アートマネジメント・アートコミュニケーションに関する本)


進化するアートマネージメント

進化するアートコミュニケーション―ヘルスケアの現場に介入するアーティストたち

2 件のコメント:

ひろたん さんのコメント...

 アートって、値段の根拠が不明瞭なので、金銭的に評価するのは難しいです。
 だからこそ、単に良い作品を創作するというだけでは駄目で、プレゼンが重要なのですね。

 訳の分からないオブジェや銅像に数百万円かけていると言われれば「なんで?」って思いますが、見る人が見ればすばらしいものと感じるかもしれません。

 鮮やかに彩られた壁面のアートを見て感動する人もいるかもしれませんが、不愉快・目障りと感じる人もいます。

 企業がアートに投資をして、株主総会でバッシングを浴びるということもありますので、躊躇するかもしれません。
 それでもお金を出して貰えるようにするには、どうすればよいか・・・・・営業マンにとっても重要な課題です。
 

BUSHIDOU さんのコメント...

ひろたんさん、コメントありがとうございます。

確かに、何を美しいと思うのかは人それぞれなので、アートやアートプロジェクトにどれだけの資金をかけるか、というのは出資者の価値観によるところが大きいと思います。


衣食住足りて初めて「文化」や「アート」を
楽しめるのだと思いますが、苦しいときに心を助けてくれる存在であることを心の片隅に置いておくのも大切なことだと思います。


また、日本では、スポーツ界もそうですが、芸術の世界で「生活」していくことが比較的難しいので、夢を与える仕事をする人たちが、収入を得られるような文化度の高い国になるといいな、とも思います。