2010年7月16日金曜日

『知的生産の技術』で学ぶ、記録と読書

民俗学者の梅棹 忠夫(うめさお ただお、1920年6月13日 - 2010年7月3日)、さんが先日亡くなられました。

御著書の中でも『知的生産の技術』が特に有名だったので、図書館で借りてきました。書庫に保管されている古い本だったため、わざわざ司書さんに出してきてもらいました。


知的生産の技術 (岩波新書)
梅棹 忠夫
岩波書店
売り上げランキング: 305
おすすめ度の平均: 4.5
5 いまでも使えるその理由は
5 これぞ現代人必読の知的生産術!
5 今でも通用する部分があります
5 今も「そのまま」使えると考えるのも見識
5 古典の古典たる所以を感じます

本書は、学者さんが書かれた本なのに、ひらがなと口語が多く、とにかく読みやすいのが特徴。
より多くの人に読んでもらって、知をわかちあいたい、という優しさに溢れている気がしました。

“知的生産”というと硬い感じがしますが、簡単に言えば、

“アイデアにあふれた人生を楽しむ”ということに他ならないと思います。

恵まれた現代生活の中で、誰かが作った知的生産物を楽しむだけの受身な生き方をするのもいいのかもしれません。しかし、人のアイデアや発見に踊らされるだけの人になるか、自分で何か面白いことを発信する人になるか、どちらが魅力的かといえば、後者だと思います。

単純ですが、知的生産をする人は、超カッコイイのです。

今日は、梅棹先生の『知的生産の技術』から“手帳術”と“読書術”について、ピックアップしてみたいと思います。

☆手帳は“知的活動の記録”



“わたしたちが「手帳」にかいたのは、「発見」である。まいにちの経験のなかで、なにかの意味で、これはおもしろいとおもった現象を記述するのである。あるいは、自分の着想を記録するのである。・・・(中略)・・・たまってみると、それは、わたしの日常生活における知的活動の記録というようなものになっていった。”

“ 物の見方が面白い人”は魅力的です。

同じものを見ていても、「そんなこと私は気づかなかった!」とか「面白いものに例えるなあ」とか「そんな不思議な感想を抱くなんて!」と思わされる人こそ、知的生産をしている人だと思います。

お笑い芸人も、人気があってモテている人はやはり、「知的生産」が出来ている人です。

そんな魅力的な人に一歩でも近づくために、本書にあるように、ちょっとだけ意識して自分の発見や気づきを書き留めてみるのもいいかもしれません

今の時代なら、記録の方法は手帳に限りません。

・デジタル派なら、Evernoteで、写真や音声等のデータを保管
・アナログ派なら、カードやミニノートなど

※本書では、京大式カードなるものがおすすめされていますが、なんでも試しに使ってみると、自分に合った記録術が見つかりそうです。



情報カード B6 京大式 C-602
コレクト
売り上げランキング: 99


また、「何も書く事がないなあ」、という人は、発見力が鈍っているだけなので、旅に出たり、普段接しないような分野の人と話したりするといいと思います。

また、文字でなくても写真を撮る、スケッチするというのも自分の感性を残す記録術だと思います美術表現も素晴らしい知的生産のひとつです。

自分独自の観察眼の記録を、まずは積極的に集めてみましょう

☆創造的読書とは



“いわば本をダシにして、自分のかってなかんがえを開発し、そだてていくというやりかたである。もっぱら読書の楽しみを享受するのもいいが、それはいわば消費的読書である。”

私も、読書会に参加するようになって、著者の言いたいことを正確に読み取ろうとするよりも、自分の都合のいいように解釈して、自分の好きなように応用したり楽しんだりできるようになってきました。

読解力よりも発想力。

例えば、自分の経験や他の本や雑誌、漫画などと関連づけたり比較して、オリジナルな自分のテリトリーを造るというイメージでしょうか。

だから、
本を読むということは、堅苦しく考えなくてもいいのだと思います。

本を読むと、自分独自の面白いアウトプットが増える、くらいの感覚でいいのではないでしょうか。

なんだか、1969年初版という、私が生まれる前に書かれた岩波新書にも関わらず、ずいぶんと気楽に読むことができる本でした。

梅棹 忠夫先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

☆梅棹先生の主な御著書


情報の文明学 (中公文庫)
梅棹 忠夫
中央公論新社
売り上げランキング: 841
おすすめ度の平均: 5.0
4 情報のあふれた今こそ価値を見直すべきでは
5 「考えること」の最良のサンプル
5 日本の情報社会論の古典
5 情報産業論に学ぶ。
4 情報という言葉なんてあまりに当たり前に使ってしまっているけども。

行為と妄想 わたしの履歴書 (中公文庫)
梅棹 忠夫
中央公論新社
売り上げランキング: 7887
おすすめ度の平均: 5.0
5 このひとのファンなら



1 件のコメント:

履歴書の書き方の見本 さんのコメント...

いつも参考にしております。
また遊びにきます。
ありがとうございます。