2011年3月23日水曜日

私がバングラの工場で乗り越えた7つの壁~エコバッグ作り~

(生地を調達する市場にも行きました。大きな布地のロールを運ぶお兄さん)
※出来上がったエコバッグの写真は、この文章の最後にあります。デザイン画と比較してみてください。
★異国の工場でバッグを作るのは容易ではない!

私は先日、バングラディシュの首都ダッカにあるマザーハウスの工場でエコバッグづくりをするツアーに参加しました。

まず、生地の市場で布地を調達し、約20名の参加者が、それぞれ自分の好きな形のエコバッグのデザイン画を描いて、工場の約40名のベンガル人の工員の方と一緒に、一日で完成させるというものです。
(私のデザイン画。基本はキャンバス地。バッグの底と犬の形のパーツはレザーを使うイメージ。)

バングラディシュでバッグを作るのに一番のネックだったのは、言葉が通じないこと!工員の方たちは、ベンガル語を話します。英語は通じません。また、それぞれの性格や得意な技術がわかりません。ミシンは得意だけど、革ひもは編めない、とか、革をすく作業はできるけど、型紙をおこすことはできない、など、バッグ作りのいくつもの工程をすべて1人で完璧に出来る人はいないのです。

そこで、異国の工場でバッグを作る中で、私がぶつかった7つの壁>について、お話したいと思います。

①まず、どの工員さんにバッグ作りを頼むか。

こちらの作りたいバッグのイメージが通じて、作業が速く、丁寧という方が理想でした。できればベテランさんに頼みたいと思うのですが、そういう方は人気で、すぐに声をかけないと手遅れになってしまいます。

②その人が不得意な工程については、作業中で忙しい、別の人を巻き込む必要がある。どうしたらいいか。

③言葉が通じない中で、自分の希望通りのバッグのイメージををどう伝えるか。

④工員さんがイメージと全く違うものを作り始めてしまったときに、Noを伝えなければならなくなった

工員さん達は、善意で色々とデザインの提案してくれたのですが、予想もしなかったキンキラキンの飾り付けが始まったり…(笑)。最初のデザインとかけ離れていってしまい、どうしよう!!という状態でした。

⑤作っている途中で、私自身の作りたいイメージが変化してきた。変更を伝えたい。

他の人のバッグを見ていて、「ああいうのもいいなあ」と別のデザインの可能性を模索したくなってしまいました。朝令暮改型上司の気持ちが痛いほどわかりました(笑)。

ものづくりでは、作っている途中で色々なアイデアが湧いてくることがあります。自分ひとりで作っているだけなら、最初からやり直してでも作ることができます。しかし、誰かと一緒に作っていると、それまでの工程を無駄にするばかりか、信頼を損ねてしまい、その後の作業に支障が出そうです。

⑥スキルの高い人は人気で、なかなか声をかけづらく、自分の仕事に参加してもらえない。

やはり、どこに行っても仕事が出来る人は引っ張りだこ。しかも大量の仕事を請け負って、疲れていそうなので、頼みづらいのです。

⑦コミュニケーションスキルの高いツアー参加者は、iPhoneで、日本で撮った写真を見せたり、一緒に写真を撮ったりして、場を盛り上げ、ノリノリで仕事をしてもらっている。私にはスマートフォンもなく、言葉も通じない。どうやってノリノリモードになってもらうか。

これら7つの壁は、なんだか、仕事で言うところの、マネージャーと同じ立場の悩みですね。

★私はこうやって乗り越えた!

では次は、私がこれらの壁について、現地でどのように対処したかについてお話します。

①まず誰に頼むか

→まず、同年代と思われる1人の女性に声をかけました。なんとなくこちらの希望を、言葉が通じなくてもニュアンスでとらえてくれそうな気がしたからです。

②その人が得意でないことについて、別の人を巻き込む方法まずバッグの型紙を布地にあてる段階で、彼女は型紙についてはあまり得意ではないということがわかりました。隣の工員のおじさんがスイスイと型紙の形に布を切り抜いていくのを見ながら、なかなか進まない私のバッグの型紙を前におろおろしてしまいました。

→うまい人の真似をして、私も一緒に作業をしたり、工場の別室も回って、仕事が好きそうな人にデザイン画を見せて、私のバッグ作りに参加してもらった。

おろおろしていても始まらないので、私もバッグ作りに積極的に参加。もちろん私は素人です。隣のおじさん工員の作業を観察しながら、真似をしてチャコペンで線をひいたり、縫いしろを取ったり、布地の方向を合わせたりしました。

私も一緒にハサミで裁断しながら、最初に声をかけた彼女に微笑みかけると、彼女もつられて笑いだし、知っている日本語を教えてくれました。その知っている日本語とは…なぜか「頭痛い」でした(笑)。おぼろげながらコミュニケーションを取るうちに、オープンハートになってもらうことが出来ました。そして、不得意そうなことについては、せかしたりせず、工場内の人をくまなく捜しまわって、別の人に手伝ってもらうようにしました。そのとき声をかけたのは、「自分の頭で考えて作業をしている」と思われる人さすがにいい仕事をしてもらうことができました。

③言葉が通じない→絵を描いて、見せる。

→イメージを伝えるのには、正直言葉は入りません。雑誌の切り抜きや絵で示すことが出来れば十分です。日本人同士でも、例えば美容院などでは、言葉よりも「ヘアカタログ」ですよね。

④イメージと違うものが出来てきた工員さん達が、善意で、私のバッグに色々な飾り付けを始めました。私はシンプルなバッグが良かったので、キンキンギラギラの飾りがついていくのを見て、びっくり。

(知らない間に、ポケットに金色のリボンが縫い付けられている!これは彼女が個人的に持ってきてくれた、大事なリボンだそう。)

→彼らの善意を否定したくなかったので、「私のバッグ」ではなく、「みんなのバッグなのだ」と考え方を変えました。そうすると、イメージどおりでなくてもOK!と楽しめるようになりました下の写真のように、バッグの上部の巾着部分に、ベンガル人の男性のスカートの生地を使用することになるとは、夢にも思いませんでしたが、これもちゃめっけたっぷりのベンガル人の工員のお兄さんのアイデアなので、笑って受け入れました。今となっては、このスカートの生地の部分が一番お気に入りだったりします(笑)。

(男性のスカート用の布が、私のバッグに取りつけられているところ。裏地はデニムで作ってくれました。丈夫でかっこいいバッグになっていきます。)

⑤イメージの変更

既に作った部分については変更をせず、今後変えられる部分のみ、イメージ画との変更を伝える。今回はできなかったが、もし可能なら、小さめのものを2つ作ることにして、一つ目を試作品として仕上げるのもよいと思う。

⑥スキルの高い人に協力してもらうには

→スキルの高い人は仕事が早いので、別の人のバッグをさっさと作り上げてしまっていました。そのタイミングを見計らって、「作業が進まなくて困っている」ことを身ぶり手ぶりで示し、自分のバッグの仕上げの作業に参加してもらうことが出来ました。

⑦コミュニケーションをとって和気あいあいとするには

カメラで一緒に写真を撮って、デジカメの画面を見せたり、作業風景を撮影したりしました。上手に作ってもらったら、「嬉しい!」と素直に日本語でも英語でもいいので伝えました。感情表現は言葉が通じなくても伝わります。飛び上がったり、万歳をしたり、ガッツポーズをしたり、小学生のように体を使って表現すると、工員の方たちもこちら以上の熱意を示してくれました。


出来上がり。折りたたんであるので、四角の形はわかりにくいですが、広げると大きなボックス型です。ポケットに、彼らのアイデアで王家の紋章のような模様が縫い付けられました。バングラ風のバッグになりました。一生の思い出のバッグです!)

★まとめ

【私がバングラデシュ工場で学んだ、世界共通の仕事術】

①個人の才能を発見し、リスペクトしていることを伝える

②一人ひとりのクリエイティブな心をつぶさない

③自分でもやってみる

4 件のコメント:

ujiuji さんのコメント...

すごいです!こうやって壁を乗り越えて達成した物、事は絶対一生の宝になりますよね。読書から得られることも大切ですが、こうした実体験から得られることが本当に重要なんだなと思いました。

ujiuji さんのコメント...

すごいです!こうやって困難な壁を乗り越えて得られた物/事は一生の宝物になりますよね。
本で得られる情報も有用ですが、実体験から得られたことは忘れませんし、本当に一生になりますよね。

BUSHIDOU さんのコメント...

ujiujiさん、コメントありがとうございます!(ときどきスパムコメントのところに入ってしまうことがあって、気付くのが大変遅くなり、申し訳ありません!!)

ujiujiさんも現地では、山のような壁が待っていると思うのですが、それを乗り越えられると思うと、本当に羨ましいです。実体験は、本当に何事にも代えがたいので、色々な体験談をまたお聞かせ下さい。

まずは、健康で、お体に気をつけてくださいね!

masa さんのコメント...

こんにちは。久々に拝見したのですが、たくさん手作りされているんですね!
バングラディッシュにまで!
ますますのご活躍を期待しております。