2011年5月26日木曜日

『大切な人のためにできること』

大切なひとのためにできること がんと闘った家族の物語




がんと闘った家族の物語『大切なひとのためにできること』を読みました。


娘である著者が、がん宣告から父が最期を迎えるまでの物語がとても美しい文章で綴られています。冷静で客観的な表現も多く、がんの知識や病気にかかった時に必要なお金の知識など、読み手の方に少しでも役に立つようにという心遣いが随所に感じられる、温かい本でした。

病気や死を扱う本だからといって、決して暗い内容ではなく、「家族の愛」があれば、幸せな死が迎えられる、という勇気を与えてくれる本でもあると思います。

☆日常生活で忘れられがちな「死」は、誰にでも訪れる

家族や著者自身の闘病記に関する本は、これまでにも沢山出版されています。私が初めて読んだ闘病記は、小学生のころに読んだ、白血病と戦った女の子の物語でした。

死に至る病って怖いな
家族の愛が一番強いんだな

その頃は闘病記を読んだ後、こんな感想を抱きました。そして病気の恐ろしさを知ったショックで、数日眠れなくなってしまうほどでした。


その後、小学生のころ、闘病生活の後に亡くなったおじいちゃんのお葬式に出て、泣きじゃくったことがありました。おじいちゃんがいなくなった悲しみ以上に、「死」の怖さがものすごく襲ってきて、恐ろしくて恐ろしくて泣く、という初めて死を身近に感じる体験をしました。

大人になった今、病気も、死も、歳をとれば人が必ず直面するものであり、だからこそ、今しかない瞬間を貴重に感じられるのですが、死や病気に対する恐怖は薄らぐことはありません。

☆家族がいれば、怖いものはない

本書には、がんの末期患者がどのように苦しみ、色々な治療法を探し、治療法の副作用と闘っているかがつぶさに描かれています。そこだけを読むと、とても苦しくなるのですが、常に家族の温かいまなざしや心につつまれていることがはっきりとわかり、家族の存在のありがたさ、温かさが強く伝わってきます。

家族の介護に懸命な人や、年老いた祖父母のことが心配な人には、共感できる部分が多いと思うので是非読んでいただけるといいと思いますし、また、独身の人には、「家族」を持つ・持たないことの違いがはっきりわかる本なので、自分の人生を見直すきっかけになると思います。

一度立ち止まって、人生の最期についてしっかり考えてみませんか。

本書は、レビュープラス様より献本いただきました。いつも良書をお送りいただき、あがとうございます。

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