2012年7月8日日曜日

【書評】挑む力~世界一を獲った富士通の流儀~

挑む力 世界一を獲った富士通の流儀

★成功の秘訣は、どこにあるのか?

本書は、富士通の8つの壮大なプロジェクトを分析し「なぜ成功したのか」が詳細に描かれた本です。

その8つのプロジェクトとは、
 

・スーパーコンピューター「京」

・株式売買システム「アローヘッド」

・すばる望遠鏡/アルマ望遠鏡

・復興支援

・「らくらくホン」シリーズ

・農業クラウド

・次世代電子カルテ

・ブラジルにおける手のひら静脈認証

といった、未来に大きく展開していく技術ばかりです。

日本の原動力である「技術」は、世界での競争にさらされ、国内の政治、経済、天災の荒波の中にあっても、強い火を灯し続けなければなりません。そして、技術を生むのは、人です。

本書を読むと、日本の技術力に希望が見出せるだけでなく、日本人であることに誇りを覚えます。
 

そして、読者である我々も、挑むことから逃げてはいけないと勇気づけられます。


富士通の世界レベルへのチャレンジはあまりにも壮大ですが、本書に描かれる考え方や意識の持ち方は、我々の日常レベルで参考になります。
 

特に、以下に当てはまる方にとっては、強い活力が得られるはずです。

①結果がなかなか出なくて、続けてきたことをやめてしまおうと思っている人

②グローバル化という言葉に漠然と不安を感じている人

③名言に励まされたい人

また、富士通の社風や技術に強い関心がある人や就職活動中の学生さんにとっては、企業研究に最適です。さらに、技術職の方が、自分の仕事を俯瞰するのにも役立つと思いますし、プロジェクトリーダーに必要な意識を学ぶこともできます。


★野中氏の解説によってさらに本質に迫る!
 

本書の末尾には、『失敗の本質』などで有名な一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏による解説が掲載されています。

富士通の成功への歩みが抽象化され、「実践知」や「イノベーションは帰納法で生まれる」など、アカデミックな用語を用いて本質にせまっており、野中氏の他の著書を読む際にも役立つ概念を得ることができます。

【参考:野中郁次郎氏の代表的な著作】

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一 杉之尾 孝生 村井 友秀 野中 郁次郎
中央公論社
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戦略の本質 (日経ビジネス人文庫)
野中 郁次郎 戸部 良一 鎌田 伸一 寺本 義也 杉乃尾 宜生 村井 友秀
日本経済新聞出版社
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イノベーションの本質
イノベーションの本質
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野中 郁次郎 勝見 明
日経BP社
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★読み方によって、色々な役立て方ができる本!
 


例えば、私の場合、異文化に溶け込む際の本質となる言葉に出会えて、非常に有意義でした。

それは、p178「どこへ行っても、愚痴や文句は言うな。自分からその土地の人と親しくなり、友達を作る努力をしろ」という言葉や、「比較はいいが批判はだめ」という、異文化の人との会話のルールです。

転職先での振舞い方や、義理の親戚との関わりでも大切なことだけに、肝に命じました。

このように、

モチベーションアップのための読み物としても、

実用書としても、

アカデミックな学問書

としても役立つ本書は、読み手によって大きく価値を変化させることができます。

何よりも、NHKの番組『プロジェクトX』が好きだった方で、もっと現場を知って掘り下げたいと思っていた方にとって、本書は濃厚で取材が充実しており、満足できるはずです。

下記特設ページで試し読みもできますので、気になった方はアクセスしてみてください。
※『挑む力』特設ページ


※『挑む力』Facebookページ



挑む力 世界一を獲った富士通の流儀


※本書は、レビュープラス様より献本いただきました。


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