2012年8月21日火曜日

【書評】優れた経営者はなぜ話が面白いの?『ストーリーとしての競争戦略~優れた戦略の条件~楠木建著』

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

★競争戦略を語る楠木教授が熱い!!
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本書は、2010年の発売当初から話題となっており、当時、読書会の課題本として読みました。

著者は、一橋大学のビジネススクール教授で、競争戦略とイノベーションを研究されています。
というと、論文調の本なのかな、とのイメージを抱きがちです。

しかし、本書のまえがきだけでも目を通せば、まるで話を聞いているかのようなライブ感、リズム感があり、リラックスして読める本だと思います。しかも、内容が骨太です。

著者による、本書の解説が下記リンク先にあります。少しだけ引用してみると、

“すぐれた経営者はあらゆる文脈に対応した因果のロジックの引き出しを持っている。しかもいつ、どの引き出しを開けて、どのロジックを使うかという判断が的確だ。”

是非、ここだけでも読んでみてください。↓
http://president.jp/articles/-/5887


★人は、物語のある事業に魅惑される

私が本書の内容を一言で表すとするなら、以下のようになります。

優れた戦略には、因果論理が十分で持続的に競争優位をもたらすストーリーがある。そして、ストーリー創りにはスキルではなく、人を喜ばせたいという情熱とセンスが必要。

本書には、「話がとにかく面白い」ということが優れたリーダーに共通の特徴のようだとかかれています。

成功する戦略とは、その戦略にかかわる人々を面白がらせ、興奮させ、彼らを突き動かす力があることが絶対の条件だと著者は言います。

確かに、面白い話を聞くと、ワクワクするので、一緒に神輿を担ぎたくなります。参加しよう、協力しよう、購入しようという気持ちになります。
そして、面白い話には、印象的なWHY(なぜ?という根拠・理由)があるようにも思います。

私が「優れたストーリー戦略」と聞いて、真っ先に思い浮かべたのは、発展途上国から世界に通用するブランドを作ろうと起業された山口絵里子さんのコンセプトです。

山口さんのバッグブランド「マザーハウス」のサイトに、そのストーリーが書かれています。↓

http://www.mother-house.jp/story/


私は、このストーリーを実現させてしまった1人の若い女性の行動力に感銘を受け、スタディーツアーに参加して、実際にバングラディシュの工場の見学に行ってきました。確かに、そのストーリーは
工員さん達にも共有されており、バッグ製作中にもアイデアが飛び交うような非常に活気のある現場でした。



山口さんのストーリーに感動した日本の消費者は、マザーハウスの商品を買うだけでなく、そのストーリーも一緒に買っている気がします。

★本書について、もっと知りたい人のために

私の書評は、引用をあまり載せないようにしているので、要約や引用から本書の魅力をたどりたい方には、以下の書評がお勧めです。色々な書評の中でも特に素晴らしいものをピックアップしました。

北海道大学の教授が非常に分かりやすい要約を書かれています。
http://www.jfc.go.jp/common/pdf/ronbun1011_05.pdf

ビジネス書評でおなじみのsmoothさんの『マインドマップ的読書感想文』
http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/51870743.html

魅力的なお店、事業を展開・持続させたい方にとって、本質的な示唆が得られる良書です。
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

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